【不適切行動・反抗期の関わり方】子供のサインを汲み取る力で、早期に対応しよう。
どうも、心理セラピストのあおちゃん(id:kenkowota_ao)です。
人生に「主体性」を取り戻すサポートをしています。
子育てママにとって、大きな課題となる子供の不適切行動や反抗期。
「なんでそんなことするの?!」と頭をかしげてしまうようなママも多いのではないでしょうか。
しかし、一見不適切に見えるその行動にも、実はそこにはちゃんと当人の目的があったりします。
今回は、子供の不適切行動の捉え方とその対応についてお話していきます。
- 心の拠り所があるからこそ、人は自立できる
- 不適切行動の目的と段階
- 子供が安心感を得られない理由
- 関心があることを伝え続けること
心の拠り所があるからこそ、人は自立できる
自立までの道のり
子供は親から愛を受け取り、それを心の拠り所にして自立していきます。
この心の拠り所は「何があっても大丈夫」と思える安心感のことです。
自分の中に安心感がしっかり築かれていると、トラブルにあってもうまく乗り越えていくことができます。
しかし「親から充分愛情を受け取れなかった」「安心感を得られなかった」などの理由で「心の拠り所がうまく作られなかった人」は、大人になっても精神的に自立できず、その後の人生を彷徨ってしまうことになりかねません。
不適切行動の目的と段階
実は、子供の不適切行動には「わたしは安心感が得られてないですよ」というサインが隠れています。
不適切行動とは具体的にどんなものなのか、アドラー心理学の「子供の不適切行動4段階」を見てみましょう。
不適切行動4段階とは
①注目
[行動]乱暴、落ち着きの無さ、いたずら、邪魔、作り話、優等生的
[目的]「私を見て」「褒めてもらえないなら、せめて叱られよう」
②権力(反抗)
[行動]頑固、反抗、非協力的、いばる、暴力、のろい
[目的]「お前なんかに負けない」「自分が一番強いんだぞ」
③復讐
[行動]身体的、言語的に自他を傷つける、不機嫌、毒づく
[目的]「私の不幸はあいつのせい」「仕返しして傷つけてやる」
④無気力
[行動]孤独、諦め、ひきこもり
[目的]「もう放おって置いて」「ひとりにして」
最初の段階は「かまってほしい」という、誰にでもある健気な気持ちから始まっています。
これは、家庭内で幼少期によく出くわす部分ですよね。
親を敵視し始める
しかし、注目してほしいのは「①注目」と「②権力」の差です。
わたしはここに、大きな溝が生まれていると考えます。
何故なら、ここから親を「敵視」し始めているからです。
家庭内に「戦い」が生まれてしまうのは、親自身が上だの下だの競争意識を家庭に刷り込んでいる可能性が高いと思います。
この不適切行動の段階は、すすめばすすむほど修復が困難と言われています。
最悪の場合は、よくニュースで出ているような殺傷事件にまで発展します。
だから、気づいたときにすばやくこちらが対応できるか?ということが要になります。
子供が安心感を得られない理由
親に不信感がある
子供が「安心感を得られていない」と感じる環境としては、以下のようなものが挙げられます。
・親と離れ離れになった
・自分へ注がれるべき愛情が他の存在に奪われた
・親の喧嘩やDVを目の当たりにした
・親から強い否定をされた
・親の都合、期待ばかり押し付けられた
・親自身が自暴自棄な行為でいっぱいいいっぱいだった
・親から虐待されたり放置された
共通するのは「親に対して不信感がある」ということです。
身体的な暴力などが問題だというのは、広く知られていることだと思いますが、無関心や過保護なコントロールも子供にとって大きなキズとなる可能性が高いのです。
そして、親に対して不信感が強ければ強いほど反抗期の「反発」も強くなります。
反抗期への理解
多くのママを悩ませる反抗期は、冒頭でお話ししたような「自立を促す大事な過程」のひとつです。
親にどっぷり依存してきた関係から、ちょっとずつ自我を確立し始めて「自分で選択する力」つまり主体性を育んでいるために、主張が強くなります。
だから「この子は自分なりに自立のための道のりを歩んでいるんだ」という目線をもってあげることがまず大切です。
反抗期は特に「本人の意志」にデリケートになってあげてください。
そして反抗期を通して、子供は「自分の自由を尊重してくれる大人」を見極めていますし「どれだけダメな自分でも受け止めてくれるのか」を試しています。
介入はNG
一貫して親が与えるべきは「安心感」です。
しかし「安心感」と「甘え」を混同している人も、多いのではないでしょうか。
本人の課題を親が変わりに引き受けてしまう過保護は、非常に問題になっています。
子供が親子の依存関係を逆に利用し、自分の取り組むべき課題を押し付けてきた場合などは、しっかり親側が線を引く態度も大切です。
子供のうちに「自分の意見が通らないこともある」ということが体験を通してわからないと、社会に出て「自分の意見が通って当たり前だ」という幼児的な態度を繰り広げ続けることになりかねません。
そんな「裸の王様」に、あなたも一度は出会ったことがあるのではないでしょうか。
いつまでも親に依存し続け、自分の問題を人に投げつけるような大人になってしまうのです。
関心があることを伝え続けること
「いつでも頼ってね」という安心感を提供しつつ、あくまでサポートする立場をとること。
これが子育ての難しさでもありますが、とても大切なことです。
親が子供の人生を奪ってはいけません。
そして、親が子供を引きずり回すのではなく、常にお互いに「話し合い」「確認し合う」ことで一緒に歩む感覚を忘れないことです。
行動そのものよりも「相手の背景にある気持ち」を、こちらがしっかり汲み取ってあげなければなりません。
「あなたに関心がありますよ」「いつでも見守っていますよ」の気持ちがしっかり伝われば、子供はちゃんと自分のタイミングで勝手に自立していきます。
この力を奪わないでほしいなぁと思います。
親子のこじれは安心感の欠乏。
親が「安心を提供できる状態」であることが大切だということがおわかりいただけたでしょうか。
子供が求めているのは「完璧なお母さん」ではないんです。
- 不適切行動に出くわしたら、相手の目的を探る
- 本人の意志を尊重し自立を支援する
- 介入ではなく、関心を向ける
- 安心安全を提供する