ネガティブは悪者じゃない。勘違いしがちなポジティブ・ネガティブの捉え方。
健康おたく
「自分なんて〜」で長年生きてきたわたしはですね、ずっと「ポジティブ＝正義」で「ネガティブ＝悪者」と思い込んでいたわけですけども。やっぱりネガティブな感情がわっと押し寄せてきたら「ああやっぱりこんな自分はダメだ〜」って落ち込んだりしちゃいますよね。
今回はネガティブ感情についてお話していきます。
ネガティブって悪いこと？
自分を変えるために、まずはこの「ネガティブ感情」をなんとかしなくては！！ひと昔のわたしはそんな風に思っていました。
「ネガティブはわるいやつだ！体の中から消したい」とまるで悪者退治するように「自分の中からネガティブを追い出すこと」を目標としていました。
でも、実際に「ネガティブ感情」がなくなってしまったら困ることがたくさんあるんですよね〜。
人はもともとネガティブ指向
ネガティブ感情はもともと自分を守るために備え付けられています。外敵から身を護ったり飢えをしのいだりする先人たちの知恵は、まさにこのネガティブ感情が働いてくれたおかげ。
今の時代「２４時間命の危機にさらされる」なんてことはなくなりましたが、いつ災害が起きてもいいよう防災対策をしたり、子供がいつ飛び出てきてもいいよう徐行運転したりするのも、ネガティブ感情が生み出す危機管理能力を使っているわけです。
こうして日々一生懸命わたしたちの命を守ろう守ろうとしてくれているのがネガティブ。これがなかったらとっくに「お前はもう、死んでいる」なんです。そう思うと、悪者扱いされるなんて変な話ですよね。
１００％な人間はいない
時々「わたしってポジティブ人間なんですよね！！」と言う人を見かけますが１００％ポジティブな人も１００％ネガティブな人も、この世には存在しません。みんなグレーで、あるのはそのグラデーションの「濃度の違い」だけです。
とある研究では、人が日常的に出すネガティブ感情とポジティブ感情の割合は７：３ということが公表されています。（ネガティブのが圧倒的に多い！）
ネガティブ・ポジティブどちらも共存しているから、人間として成り立っているわけです。コインに裏表があるように。ネガティブ感情が全く無いと捉えること自体、間違っています。
大切なのはバランス能力
だから、ネガティブ・ポジティブ「どちらが良い悪い」という話はそもそも見当違いなのです。むしろ必要なのは「ネガティブとポジティブを場面によりうまく使い分ける」バランス能力です。
ポジティブを使うべきところでポジティブを使い、ネガティブを使うべきところでネガティブを使う。車の操縦のように、アクセルもブレーキもどちらの機能も重要で、場面によりけり正しい使い方をすることで安全運転が可能になるのと同じように。
感情をまるごと肯定する
「ネガティブ＝悪者」として感情自体を否定してしまっていると、物事はどんどん悪循環スパイラルに突入します。ちょっと想像してください。
道端で転んで泣く子供とお母さん。「痛くないでしょ〜こんなことで泣くんじゃないの！」ってお母さんが子供に怒鳴ったとしますね。
怒られた子供は「感情を否定された＝人格を否定された」と受け取りかねません。否定された自分をねぎらってほしくて、さらに悲観的になったり暴れたりするかもしれません。
そういうときは「痛かったね」「びっくりしたよね」と感情をまるごと肯定してあげること。その方がその子の自己肯定感アップに繋がり、より早く安心感へ導いてあげることができます。
そしてこれは自分に対しても全く同じ。自分の中に小さな子供がいると思ってください。ネガティブな感情が湧いてきたら「あ、体を守ってくれようとしているんだな」とまずは感謝してもいいくらいです。そして、その気持ちが落ち着くまで寄り添ってあげること。
ネガティブな感情が湧くことは非常に自然なことです。あなたの体は極めて正常にできています。ネガティブが問題なのではなく、ネガティブを否定することが問題を生みます。だから、これからは優しく包んであげてくださいね。
